英語圏出身だから「ネイティブスピーカー」と呼べるかというと、意外に難しい。
世界の英語話者
英語の独自性は、他の言語と比較しづらく、日本語とは大きく異なる。たとえば、日本語話者は約1億2300万人いて、そのうち97%以上が「ネイティブスピーカー」なんだ。一方、英語話者はその10倍以上いて、そのうち「ネイティブスピーカー」はわずか4分の1程度。つまり、英語を話すときは、ネイティブスピーカーと話す可能性よりも非ネイティブスピーカーと話す可能性の方が4倍も高い。
そのため、さまざまなアクセントを耳にすることが多くなる。英語には約160の異なる方言があると考えられていて、さらに英語圏以外の国々のアクセントも含めると、その数はさらに増える。そのため「この単語はどう発音するの?」という質問への答えがバラバラになることがある。
良い教師であるために重要なのは、知識だけでなくその能力も必要。したがって、優れた英語力がなくても、英語を教えることは可能だ。例えば、基本的な英語力があれば、子どもに基礎的な英語を教えることはできる。大切なのは、教える方法が優れているかどうかだと思う。
とはいえ、これだけでは教えるということを単純に捉えすぎているかもしれない。教えるためには、生徒よりも知識が豊富であることも必要。最も優れた教師でさえ、自分よりレベルが高い生徒には教えるのに苦労する。そのため、教師が生徒よりもかなり高いレベルの英語力を持っていることも大切だ。
最適な選択は、英語レベルと学習の最終目標によって異なる。もし英検1級を取得して英語を完璧にしたい場合は、「ネイティブ講師」から学ぶ方が良いかもしれない。しかし、会話力の向上を目指す大多数の英語学習者にとっては、自分に合った教師を選ぶ方が良いかもしれない。「ネイティブの講師」にこだわりすぎると、英語の上達という学習の最も重要な側面を見逃してしまうことがよくある。